マイクロスコープを用いた精密根管治療

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根管治療 2024.6.9

以前に根管治療を成功に導く鍵は、ラバーダム防湿を用いた無菌的環境下での処置とブログでお伝えしました。(根管治療(初めて神経を取る処置)の重要性

当院では全ての患者様の根管治療においてラバーダムを使用しています。

根管治療におけるマイクロスコープの有用性

また、当院では、マイクロスコープも導入していますが、マイクロスコープの有用性についてお伝えしていきます。

歯の中にある、神経や血管が詰まっている管、つまり根管は非常に複雑です。

特に大臼歯は根の数も多く、それに伴い根管も多くなります。

上顎第一大臼歯は3根、下顎第一大臼歯は3~4根あります。ですので根管もそれに準じて3根管ないし4根管存在します。

上顎第一大臼歯の根管治療としては、3根管として治療されていることが多く見受けられます。しかし、実は50%以上の確率で4根管存在すると言われています。データによっては90%以上とも言われるくらい高頻度で存在します。

その4根管目が治療されていないがために根尖病変が生じている症例も少なくありません。

見逃された根管、見逃し根管などと表現したりもします。

その4根管目の入り口は非常に肉眼では発見しにくく、見つけにくいのです。

先人達は幾何学的なルールを見つけ出し、4根管目の発見をサポートしているのですが、やはり肉眼では難しく、勘でやってみて全く関係ないところに穴でも開いてしまうと別の問題が生じてしまいます。

そこで4根管目の発見を強力にサポートしてくれるのが、マイクロスコープです。

最大で21倍拡大し、強い光源を当てることで、通常では見えない根管も明るく大きく照らしてくれるので、4根管目も容易に発見できます。

そうすることで、より精度の高い根管治療が実現できるのです。

根管治療のエラーによる再発率が非常に高いのが日本の歯科治療の大きな問題点と感じています。ご自身の歯を大切に考えていただけるきっかけになれば幸いです。

監修者情報

歯科医師:藤尾隆史

院長:藤尾隆史

  • 2003:私立高槻高校卒業
  • 2010:大阪大学歯学部卒業
  • 2015:大阪大学大学院歯学研究科顎口腔機能再建学講座 有床義歯補綴
  • 2016~2024:山本歯科クリニック 入職 
  • 2017~2024:大森歯科医院 非常勤勤務
  • 2024:藤尾歯科・矯正歯科医院を開業