他院で根管治療したのに治らない症例への対応
症状があり根管治療を行ったが、症状が完全に治らない、歯茎にニキビのような膿袋がずっとできているといったことでお悩みではないでしょうか。
時々できる膿袋を自身でつぶしたり、歯科医院でレーザーを当てて様子を見たり、場合によっては抜歯の説明を受けたりしたことはございませんか。
なぜこうなるのか、そうです。これらは対症療法だからです。
膿袋の膿を取っても、また膿は溜まってきます。膿ができている原因へのアプローチがなされていないので、絶対に治りません。
おそらく、歯科医も原因がわからないので、対症療法を行うか、抜歯をするかという治療法になってしまうわけです。
根管治療を行ったのに治らない、もしくは症状が再発した、その原因の一つに見逃された根管という可能性があります。
歯の中の根管系は非常に複雑な形をしており、場合によっては複数の根管が認められることがあります。
最も頻度が多いのが、上顎の大臼歯の4根管です。(マイクロスコープを用いた精密根管治療)
通常は3根管として処置されることが多く、4根管目が未処置で残され、その根管で細菌が増殖し、根の先に病変、膿を作ってくるわけです。
また下顎前歯の2根管もよく見受けられます。(通常は1根管として治療されることが多い)
今回の患者様は下顎前歯が2根管であったのにも関わらず、1根管のみの処置で、見逃された根管が原因で、大きな病変ができていた症例をご紹介いたします。
症例(下顎前歯の2根管)




症状の原因がよくわからず、そのため治療方法についてずっと悩まれていましたが、原因が判明すれば、そこへのアプローチは明確になります。
現在では自覚症状も全て消え去り、とても安心されていたご様子でした。
原因と治療方法が明らかになっても、情けないことではありますが、その方法が私の技術範囲を大きく超えることもございます。その場合は信頼できる歯科医師、より専門性の高い歯科医師をご紹介することも可能です。
お悩みのことはお気軽にご相談ください。
症例概要
| Y.M様 | |
| 主訴 | 左下前歯の根本が炎症を起こして痛みがある。 治療方法についてご意見を伺いたい。 |
| 年齢 | 52歳 女性 |
| 治療内容 | 精密根管治療 |
| 期間 | 来院回数2回 |
| 費用 | 6万円 |
| 治療、治療後のリスク | 病変の完全治癒が達成できない場合は外科的歯内療法の可能性がある |
監修者情報

院長:藤尾隆史
- 2003:私立高槻高校卒業
- 2010:大阪大学歯学部卒業
- 2015:大阪大学大学院歯学研究科顎口腔機能再建学講座 有床義歯補綴
- 2016~2024:山本歯科クリニック 入職
- 2017~2024:大森歯科医院 非常勤勤務
- 2024:藤尾歯科・矯正歯科医院を開業
〒618-0022 大阪府三島郡島本町桜井2-15-8 2F
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