酸で歯が溶ける病気「酸蝕症」—あなたも気づかないうちに進行しているかも
酸蝕症ってなに?
「むし歯や歯周病は聞いたことがあるけれど、酸蝕症(さんしょくしょう)って何?」
酸蝕症とは、 食べ物や飲み物に含まれる“酸”によって歯が溶けてしまう病気 です。
むし歯と違って細菌は関与せず、歯みがきを頑張っていても起こる のが特徴です。
近年、生活習慣や食生活の変化により、日本でも増加傾向にあります。
酸蝕症の原因
✅炭酸飲料、スポーツドリンク、果汁ジュース
✅ワインやビールなどのアルコール飲料
✅黒酢やレモン水など健康志向の飲み物
✅胃酸の逆流(逆流性食道炎や嘔吐)
これらに含まれる酸が繰り返し歯に触れることで、表面のエナメル質が少しずつ溶けてしまいます。
写真で見る酸蝕症

健康な歯
健康な歯は、表面にツヤがあり、噛む面の山や谷がはっきりしています。エナメル質がしっかり残っている状態です。
酸蝕症の歯


酸によって歯の表面が丸く削れ、溝が浅くなっています。ツヤが失われ、白くマットな質感が特徴です。
さらに進行すると、茶色く見える部分が現れます。これはエナメル質が溶け、内側の象牙質が露出している状態です。
*人工物である被せ物や詰め物は酸によって溶けません。
酸蝕症のサイン
✅歯の先端が透けて見える
✅歯の表面のツヤがなくなり、象牙質が露出、陥没する(黄色っぽい色が見えてくる)
✅奥歯の溝が浅く、平らにすり減っている
✅冷たいもの・甘いものでしみる
酸蝕症は痛みが出にくく、自分では気づきにくいのが厄介な点です。
放置するとどうなる?
✅審美的に歯が短く見える
✅知覚過敏で食事がつらくなる
✅咬み合わせのバランスが崩れる
✅修復治療や被せ物が必要になり、費用や時間がかかる
予防のポイント
酸蝕症は生活習慣の工夫で防ぐことができます。
・炭酸やスポーツドリンクをだらだら飲まない
・飲んだ後は水で口をすすぐ
・酸を口にした直後は歯を磨かず、30分以上待ってから磨く
・フッ素入り歯磨き剤を使用する
・よく噛んで唾液を出す(唾液は酸を中和する力=緩衝能を持っています)
・キシリトールガムや「モンダミン リセットコート」などの補助製品も有効
・定期的な歯科検診で早期発見
まとめ
酸蝕症は「静かに進行する現代病」です。
象牙質が露出するほど進むと、治療が必要になり、歯を守るためのハードルが高くなります。
「最近、歯が透けて見える」「歯がしみる」と感じる方は、ぜひ早めに歯科医院でチェックを受けてください。
当院では、酸蝕症の早期発見・予防・生活習慣のアドバイスまで、患者さま一人ひとりに合わせたサポートを行っています。
監修者情報

院長:藤尾隆史
- 2003:私立高槻高校卒業
- 2010:大阪大学歯学部卒業
- 2015:大阪大学大学院歯学研究科顎口腔機能再建学講座 有床義歯補綴
- 2016~2024:山本歯科クリニック 入職
- 2017~2024:大森歯科医院 非常勤勤務
- 2024:藤尾歯科・矯正歯科医院を開業
〒618-0022 大阪府三島郡島本町桜井2-15-8 2F