中等度の歯周病の治療例

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歯周組織再生療法 2024.6.30

初診カウンセリングと全体検査

当院では、まず最初にカウンセリングを行なっており、これまでの歯科治療のことや、皆様のご自身への歯の関心、思いを伺っております。

今まで、歯では大きな困りごとはなく、ご自身の歯の健康には自信を持っておられました。長らく歯医者に行っていなかったので、そろそろ歯医者に検診に行かないといけないと、ずっと思っていらっしゃったようです。

そういった方でも、当院ではきちんと全体を検査させていただくようにしております。

虫歯の検査、歯周病の検査、噛み合わせの検査、過去にした治療の検査を基本の検査としております。なぜなら、これらが原因で歯を失う可能性があるからです。

このかたは、これまで歯が痛くなったことはとても少なく、困ったことがないとおっしゃっていらっしゃった通り、虫歯の問題はありませんでしたが、比較的進行した歯周病と、噛み合わせの力が強いことが大きな問題でした。

治療や予防に関するカウンセリング

よくよく伺ってみると、これまで検診に行っても、クリーニングはしてもらったことはあるが、歯周病の検査はしたことがなかったようです。また食いしばりや、歯軋りが強いことはを自覚されており、歯が一部かけたことがあるけれども、気にはしていなかったようです。

歯周病に関しては、これまで何も指摘を受けたことはなく、今回の来院でわかったことにすごく不安を覚えていらっしゃった様子でした。歯茎の状態の写真や、歯周病菌に感染している証拠である歯石の沈着と骨喪失のレントゲンをご説明し、ご理解いただけた様子でした。

最初の検査をきちんと行い、適切な診断を行えば、大体の治療方法と結果の予測が立ちます。

この患者様の場合、通常の歯周治療だけでは治癒しないことと、歯周外科治療の必要性と噛み合わせ(力のコントロール)の必要性をご説明しました。

ここまできちんと調べてもらい、説明を受けたことはなかったようで、今後の治療に期待と信頼を寄せていただけました。

歯周基本治療

歯ブラシ指導を中心に、セルフケアのやり方と工夫をお伝えし、できるようになっていただきました。そして歯茎の中に侵入している歯石、歯周病菌を除去しました

歯周外科治療

骨が喪失した部分は、歯茎の中深くに侵入し、基本治療では届かなかった歯石の除去や、骨の再生を促進する再生療法や、清掃環境を整える骨整形術を行いました。

治療終了後

骨の回復も認められ、歯周ポケット数値の改善、歯肉の赤み、腫れの消失など術前に比べて大幅な歯周病の改善が認められます。

その後のメインテナンスと経過

歯周病に完治はありません。再発しないように、定期メインテナンスが必要です。

3年経過しておりますが、再発もなく良好に経過しています。

術前と術後(現在)の比較

症例詳細

H.I様
主訴定期検診希望
年齢55歳 女性
治療内容歯周病治療(歯周基本治療と歯周外科治療)
期間約1年
費用歯周外科処置(二箇所)   ¥110,000/一箇所
治療、治療後のリスクセルフケアやメインテナンスが重要であり、怠ると再発のリスクがある

監修者情報

歯科医師:藤尾隆史

院長:藤尾隆史

  • 2003:私立高槻高校卒業
  • 2010:大阪大学歯学部卒業
  • 2015:大阪大学大学院歯学研究科顎口腔機能再建学講座 有床義歯補綴
  • 2016~2024:山本歯科クリニック 入職 
  • 2017~2024:大森歯科医院 非常勤勤務
  • 2024:藤尾歯科・矯正歯科医院を開業