奥歯(臼歯)の被せ物治療

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セラミック治療(被せ物) 2024.4.10

こんにちは。藤尾歯科・矯正歯科医院の藤尾です。

ご自身の歯を長持ちさせていく上で、奥歯の噛み合わせは非常に大事だと考えています。多くの場合、奥歯から失われていく傾向があります。

奥歯を失う、もしくは奥歯の噛み合わせが不良であると、負担は必然的に前歯に移行します。前歯にトラブルがではじめると、噛み合わせは崩壊したと言っても過言ではありません。これを元に戻す治療は時間的にも、経済的にも患者様にとって大変負担となります。

奥歯で見えないからと言って、放っておいたり、適切な時期に治療がなされないと、後に歯で大変苦労することになるかもしれません。

臼歯部咬合再構成の症例

今回は奥歯の治療のうち、特に被せ物治療についての症例を提示します。

患者様は噛んだ時に左上の歯に違和感がずっとあるということが主訴でした。また年齢のせいか、昔に比べて咀嚼しにくくなったともおっしゃていました。

口腔内を見ると、左上の小臼歯部は歯根破折をしており、保存は困難でした。

この方は歯軋りをされており、臼歯部が平らに削れております。歯軋りでかかる力に修復した歯が耐えられなくなり、歯根破折に至ったと考えられます。

過去に虫歯治療をし、修復人工物を装着した部分は、天然歯とは違います。どうしても弱くなります。

歯軋りを止めることはできませんので、力に耐えうる、修復物の構造、形に工夫する必要があります。

被せ物治療で大事なポイントは、①適合精度 ②被せ物の形 ③材質です。特に②の部分の改善が必要でした。

術前と術後の状態を見ていただいてお分かりのように、咬む面の形が大きく変わっています。

歯が生えてきた頃のような形態を与え、少ない力で咀嚼しやすいようにし、歯軋りをしても人工物の上下奥歯同士が離れるように製作しています。

これにより、弱くなった奥歯にかかる負担を軽減し、奥歯の寿命を伸ばします。

患者様自身も、今回の治療により、噛み合わせが良くなり、ものが噛みやすくなったと大変喜ばれておりました。

奥歯の治療に手間を惜しんではいけないと考えています。奥歯を治療しないに越したことはありませんが、治療巣せざるを得ないのであれば、少しでも歯にとっていいことを考えてあげても良いのではないでしょうか。今一度、皆様のお口の健康を見直すきっかけになれば幸いです。

症例概要

T.K様
主訴咀嚼時左上の違和感が強くなってきた
年齢53歳 女性
治療内容臼歯部の噛み合わせ治療(インプラント含む)
期間2年弱
費用インプラント治療(1本):45万円 被せ物治療(11本):154万円
治療のメリット・人工修復物ならびに自身の歯の長寿命を図る ・噛み合わせの改善
治療、治療後のリスク・特になし

監修者情報

歯科医師:藤尾隆史

院長:藤尾隆史

  • 2003:私立高槻高校卒業
  • 2010:大阪大学歯学部卒業
  • 2015:大阪大学大学院歯学研究科顎口腔機能再建学講座 有床義歯補綴
  • 2016~2024:山本歯科クリニック 入職 
  • 2017~2024:大森歯科医院 非常勤勤務
  • 2024:藤尾歯科・矯正歯科医院を開業