顎関節症へのアプローチ

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顎関節症治療 2024.4.16

こんにちは。藤尾歯科矯正歯科医院の藤尾です。

顎関節症は顎関節部に負荷がかかることによって起こります。その負荷とは、様々あります。

例えば、事故などで外力を受けた時や、態癖(頬杖をつく癖や、寝ている時の姿勢など)、強い食いしばりや歯軋りなど様々です。時には、歯科治療でお口を開けた状態が長く続くことも、顎関節部に負荷をかけます。

事故なども含めて、急性の顎関節症(急に顎が痛い、口が開けれない、閉じれないなどの場合)は回復処置が可能です。

しかし、多くの場合は持続的に負荷がかかることにより、ゆっくりと顎関節部が変形していくことが多いです。

症状として、お口を開け閉めしていると、顎から音が鳴る、スムーズな運動ができないなど、あまり気に留めない程度の症状が多いように思います。つまり慢性化している場合が多いのです。

慢性化している場合は、今以上に悪化しなようにすることが、最善策といえます。

つまり、お口がたくさん開けれない、や開け閉めするときに音が鳴るは解消されるかもしれないし、されないかもしれないわけで、日常生活に大きな支障が出ないようにするというのが目標となります。

少数ではありますが、歯並びの問題や、歯を失った方、虫歯治療などでたくさんの被せ物治療をした方、矯正治療後など、歯科に関わることでも顎関節症が発症することもあります。

顎関節症へのアプローチとして、顎関節症の発症した原因を検査し、現在の患者さんにとって快適な顎の位置を確認し、必要に応じて治療を行います。

症例

今回ご紹介する患者様は、前歯に多数の修復がなされており、下顎が後ろに押し込まれた疑いがあり、顎周りの筋肉に痛みを感じていらっしゃた患者様です。

下の写真に示すように、上顎にスプリントを装着しました。上下の歯に規制されない噛み方ができるようになり、咀嚼に関わる筋肉をリラックスさせる効果があります。

これを長時間装着していただきます(約2-4日程度)

4日後にきていただくと、装着した日には当たっていた奥歯が当たらなくなっています。

患者様も、最初は奥歯がよく当たっていたのに、だんだん奥歯が当たらなくなってきたと実感されていました。

当たらなくなった奥歯が再度当たるように装置を調整し、また4日後に来院いただき、確認しました。

すると、また奥歯が空いてきておりました、調整、確認を繰り返し、トータル約2週間かけて、最終的に調整なしで、全体で噛めるようになってきました。

これでひとまず、顎関節症へのアプローチの第一段階は終了です。

やはり、患者様は前の方で噛みたいのに対し、上下の歯の接触により、後ろで無理やり噛まされている結果、顎周りに支障が出ていたと思われます。

前歯を含めて多数の治療がなされている場合は要注意といえます。

ここから、奥歯の被せ物などを作り直すことで、全体できちんと噛めるようにしていきます。

(続きは別のページでご紹介します。)

監修者情報

歯科医師:藤尾隆史

院長:藤尾隆史

  • 2003:私立高槻高校卒業
  • 2010:大阪大学歯学部卒業
  • 2015:大阪大学大学院歯学研究科顎口腔機能再建学講座 有床義歯補綴
  • 2016~2024:山本歯科クリニック 入職 
  • 2017~2024:大森歯科医院 非常勤勤務
  • 2024:藤尾歯科・矯正歯科医院を開業