口元が変わる義歯(入れ歯)治療

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入れ歯(義歯) 2024.4.22

入れ歯のことをここでは義歯と呼びます。

長年、義歯のメインテナンスをすることなく、同じ義歯を使用し続けていると、様々な変化が起こってきます。

まずは、義歯を支えている歯茎粘膜の変化です。歯がない部分の歯茎は痩せていきますので、義歯と粘膜の間には隙間が開き、食事中に物が入ってきたり、義歯そのものがガタついてしまいます。

次に人工歯のすり減りです。人工歯はレジン製(簡単にいうとプラスチック)ですので、使用しているうちにすり減ってきてしまいます。

自分の歯(エナメル質)とは比べ物にならないくらい早いスピードですり減ります。

人工歯がすり減ると、噛み合わせのバランスが崩れ、義歯の安定が損なわれることもありますが、もう一つは噛み合わせの高さが減ってしまうことが問題となります。

噛み合わせの高さが減ると、口元が大きく変わってきます。

シワがよりやすく、への字口のようになり、口元も突出し、ネガティブな印象を与えます。

義歯(入れ歯)治療症例

当初は義歯の痛みで来院された

痛いところの義歯を削って終わりという歯科医院さんも多いかとは思いますが、この方の場合、根本的に義歯と歯茎が適合していませんでしたし、噛み合わせもガタガタになっていました。

来院された患者様は義歯が痛くて噛めないということで来院されました。

お話をよく聞くと、近くの歯科医院で見てもらっていたが、先生がご高齢で、閉院してしまい、途方に暮れていたとのことでした。

応急処置後に新しい義歯を作製していく流れ

その日はまず、義歯の内面にクッション材を敷き、痛みとガタつきをある程度抑えることにしました。

翌週にもご予約をとり、様子を伺うと、痛みは落ち着いたが、すぐ外れるとのことでした。

新しく義歯を作成することに同意をいただけました。

義歯のどういうところに不満があり、どういうところを改善したいのか、患者さんと話合いながら義歯を作製していきました。

人前に立って喋ることがあるようで、落ちてくる義歯は困るということ、そして、薄くて丈夫な物が良いというご希望がありました。

当院の義歯治療のコンセプト(プロトタイプの作製)

今までご使用いただいている義歯のいいところは新しい義歯にも反映し、改善すべきところは改善するようにして、新しい義歯を作製するのが当院の義歯治療のコンセプトです。

せっかく作った義歯が合わないのでは、患者様にとっても良くないので、いきなり最終の新しい義歯を作るのではなく、まずはプロトタイプを作るようにしています。

具体的にどこが良くて、どこが悪いのかを患者様から引き出すためです。

患者様から抽出したご意見をもとに、最終的な義歯を製作していきます。

私の方からも、「噛み合わせを改善することで見た目の雰囲気が変わりますよ」とご提案しました。

プロトタイプを装着していただいた時には、「昔の私に戻った気がする」と喜んでいただき、機能面や安定度にも問題がなかったため、義歯作製の最終段階へと進みました。

最終義歯の完成

最終的に完成した義歯は患者様の思いを取り込み、そして口元の雰囲気も大きく変わり、大変喜んでいただきました。

義歯治療は型取りをして終わりではありません。義手や義足と同じで自分の手足のように馴染んだ物を作るためには様々な工夫が必要です。

義歯でお悩みの方は一度お気軽にご相談ください。

症例詳細

主訴下の入れ歯が痛くて噛めない
年齢・性別76歳 女性
治療内容上下の総義歯(総入れ歯)治療
期間4ヶ月
費用上下顎義歯:80万円(上顎:40万円 下顎:40万円)
治療のメリット機能時に脱落しにくい、痛みを生じにくい義歯

監修者情報

歯科医師:藤尾隆史

院長:藤尾隆史

  • 2003:私立高槻高校卒業
  • 2010:大阪大学歯学部卒業
  • 2015:大阪大学大学院歯学研究科顎口腔機能再建学講座 有床義歯補綴
  • 2016~2024:山本歯科クリニック 入職 
  • 2017~2024:大森歯科医院 非常勤勤務
  • 2024:藤尾歯科・矯正歯科医院を開業