お口の中の総合的な予防と治療

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歯科コラム 2024.11.9

虫歯治療を同じ歯に何度もすることはできるのでしょうか。

大人の歯、永久歯は6歳ごろに生え始め、12歳ごろには大人の歯列が完成します。

そこから残りの人生、約80年近く永久歯を使って生活しなければならないわけです。

困った時だけの治療や、不適切な治療を行った場合の歯の寿命を示す図をご参照ください。

歯のライフサイクル

この図からは色々なことが読み取れますが、間違いなく言えることは、歯は削る一方なので、同じ歯に何回も治療できないということです。4回も治療すれば歯は無くなってしまいます。

そのためには、病気にならないことが最も大事です。

しかしながら、一度病気になってしまったものは仕方がないですよね。ですので、再発を防ぎ、一度治療したものが長持ちするということもとても大事です。

症例

今回の患者様は、何度も治療を繰り返し、いよいよ歯の保存が困難だと他院で言われ、セカンドオピニオンで来られた患者様をご紹介します。

全体の検査を行ったところ、様々な問題がありました。

①被せ物や詰め物と自身の歯の境目からの虫歯の再発

②根の神経治療後に再発した根尖病変

③虫歯治療の繰り返しで、残っている歯の脆弱化

④歯根破折

などです。

術前

この方の病気の根本原因は、過去の食生活習慣(糖の頻回接種)と不適切な治療(例えば、根管治療)そして、食いしばりの力が強いことが考えられました。

歯を残すためにできる限りのことはしたいという患者様の希望に沿うように、①、②、③に対して様々な方法を駆使して保存を試み、治療を行いました。

④については抜歯をせざるを得図、インプラントを応用しました。

治療の実際

術後

全ての処置を終え、現在はメインテナンスに移行しております。

良好に経過しております。

精密度の高い治療により病気を治癒に導き、問題が起きた原因に対処することで治療結果を長持ちさせることができます。再発を防げば、必然的に歯の寿命は伸びます。

今後この結果が一生持続することは保証できませんが、大きく崩壊することはないでしょう。つまり、もう一度大掛かりに治療することはないということです。

術前後の比較

監修者情報

歯科医師:藤尾隆史

院長:藤尾隆史

  • 2003:私立高槻高校卒業
  • 2010:大阪大学歯学部卒業
  • 2015:大阪大学大学院歯学研究科顎口腔機能再建学講座 有床義歯補綴
  • 2016~2024:山本歯科クリニック 入職 
  • 2017~2024:大森歯科医院 非常勤勤務
  • 2024:藤尾歯科・矯正歯科医院を開業