歯冠長延長術で適切な被せ物処置を行う
外れにくい被せ物をするために、前後の被せ物と連結固定しているケースをよく見かけます。
写真にありますように、特に奥歯でそれがなされていることがあります。
連結したから安定するというのは大きな誤解です。
多くの場合、どちらかがくっついていて、どちらかが外れていることが多いのです。
完全には外れてこないので、患者様自身としては、特に自覚症状がありません。
しかしながら、外れている側の被せ物の中では、細菌が侵入し、虫歯が進んでいきます。
症状がある頃には、かなりお大きな問題になっていることが多いのが実際です。
ですので、被せ物をする場合は、できるだけ連結することなく、単独で一つの歯として、被せ物を作るべきだと考えています。
ここで一つの疑問があるかと思います。
別に患者様自身が連結して欲しいと言ったわけではなく、我々歯科医師側から、そのように言われたので従っただけだ、と思われるかと思います。
単独で被せ物をすると、外れてしまうので連結したわけですから、単独で被せ物をすることも問題があるわけです。
そのような場合にどのように対応するのか、、
歯冠長延長術という手技を用いて対応をします。(クラウン(被せ物)の長持ちにつながる歯冠長延長術)
まずは、術前と術後の結果を見ていただきたいと思います。
写真(左)は被せ物を外したところの写真ですが、細菌が入り込んで、一部黒くなっています。
一番奥歯は歯茎から出ている歯の高さ(歯冠長)が非常に短い状態です。
この状態で被せ物をしてもすぐに取れてしまいます。例えていうなら帽子を浅くかぶっている状態と同じだからです。
歯冠長延長術の実際
歯冠長延長術とはその名の通り、歯の高さ(歯冠長)を伸ばす(延長)処置です。
具体的には、歯茎の切開を行い、歯を支えている一部の骨を削除します。そして再び歯茎を縫い合わせて終了です。
約1ヶ月半ほどの治癒期間を待ち、最終的な被せ物を装着できる状態になります。
術前・術後
監修者情報
院長:藤尾隆史
- 2003:私立高槻高校卒業
- 2010:大阪大学歯学部卒業
- 2015:大阪大学大学院歯学研究科顎口腔機能再建学講座 有床義歯補綴
- 2016~2024:山本歯科クリニック 入職
- 2017~2024:大森歯科医院 非常勤勤務
- 2024:藤尾歯科・矯正歯科医院を開業
〒618-0022 大阪府三島郡島本町桜井2-15-8 2F