顎関節症への対応症例
こんにちは。藤尾歯科・矯正歯科医院の藤尾です。
噛み合わせや咀嚼に不快感を感じることは、多くの方にとって身近な問題だと思います。初めは気にならないかもしれませんが、症状が悪化することもありますし、顎変形を引き起こすこともあるのです。
最近、左側での噛むと痛みや腫れを感じるという患者様がいらっしゃいました。年々左側での咀嚼が困難になっているとのことで来院されました。
問診と検査の結果、左下の最後の臼歯が歯根破折を起こし、感染が広がっていることがわかりました。抜歯を避けることができない状況を説明しました。ご本人もすぐに納得されるぐらい、痛みが辛かった様子でした。
抜歯後、噛み合わせは変化し、以前に比べて左側でも噛めるが、右と比べても浮いている感じがするとのことでした。噛み合わせを調べるための検査シート(咬合紙)がすり抜けるくらい隙間が空いていました。
レントゲンで顎関節部を確認しますと、著しい変形を認めます。骨格を確認しましても、顎変形症を疑われる所見を認めました。現状に至った経緯を様々問診を行いましたが、原因は様々考えられ、特定には至りませんでした。
顎関節症や顎変形症を元にも戻すことはできませんが、日常生活に支障がないように安定化を図ることはできます。
スプリント療法を用い、顎関節部の安定を図りました。顎関節部の安定の確認が取れた時点で、噛み合わせを再構築する処置を行いました。外科処置や修復処置などあらゆる手法を駆使し、最終的に全体で噛めるように処置を行なっています。
患者様は歯が美しくなっただけでなく、安定した噛み心地に大変喜んでおられました。
歯の治療をしてすぐに噛み合わせに不具合が出た場合には原因がはっきりしていますが、徐々に噛み合わせが悪くなってきた、顎が開けにくい、顎に痛みがあるなどの症状は原因は様々考えられます。矯正治療後に起こることもよく見受けられます
安易に歯を触ってはいけない場合もあり、十分な検査と慎重な対応が必要です。放っておいても、徐々に悪化する可能性もありますので、たいしたことないと判断せず、お気軽にご相談ください。
症例
症例概要
H・Y様 | |
主訴 | 最近左側で噛むと痛いし、腫れている。 年々左側で噛みにくくなっている |
年齢 | 55歳 |
治療内容 | 噛み合わせ治療 |
期間 | 2年 |
費用 | セラミック修復15本(約180万円) |
治療のメリット | ・噛み合わせの改善により、全体の歯に均等に力が加わり、歯の長期保存に 役立つ |
治療、治療後のリスク | ・元々入っていた修復物のやり変えを中心に行い、ご自身の歯への侵襲は 最小限に抑えている工夫をしている |
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