インプラントを長持ちさせるためのポイント

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インプラントを永く使い続けていただくために

当院ではインプラントを長持ちさせることを、治療における最重要と言っても良い課題だと考えております。

インプラントは自費治療のため、安くはない費用がかかります。また外科手術を伴うため治療にかかる期間も長く、多くの方は『一大決心』してインプラント治療を受けることを決められているのだと思います。そんなインプラントが治療後に長持ちせずに、数年でダメになってしまったというのでは患者様の落胆も大きいでしょう。

当院ではインプラントがより長持ちし、ずっと患者様に笑顔でお食事を楽しんでいただけるような治療を心がけており、そのためのさまざまな工夫を凝らしております。

インプラントの寿命について

インプラントの寿命は一般的に、20年〜30年ほどだと言われています。インプラントの寿命に関する論文はさまざまありますが、そのほとんどでインプラントの生存率は90%〜95%を超えていると報告されています。

インプラントの適応症について

インプラントも先に述べたように一生物ではありません。
30年弱と考えると、例えば、30代の方がインプラントを適応した場合、60代でやり直す可能性があるということになります。
逆に50代〜60代の方がインプラントを適応した場合、一生物であると言えます。

インプラントにまつわるトラブルを回避し長期予後を達成する

インプラントにまつわるトラブルとは?

インプラント周囲の骨が吸収している。レントゲン像と、実際に歯茎を開いてみると、やはりインプラント周囲の骨が喪失している。
  • 処置中のトラブル(トラブル例の写真があるか)
  • 免荷期間中のトラブル
  • 治療終了後のトラブル
  • の3つに大別されます。

①処置中のトラブル

外科処置に分類されますので、全身状態(重度の持病など)がコントロールされていない場合は行わないことが原則です。
それ以外にも、インプラント外科処置中の感染や術中の痛みなどのリスクが考えられます。
当院では、滅菌された手術環境、サージカルガイドの応用、治療時間への配慮などを行い、安心、安全なインプラント外科処置を行なっています。
ご希望であれば、静脈内鎮静麻酔を行うことも可能です。

②免荷期間中のトラブル(インプラントが骨と結合するまでの間のトラブル)

一定割合、インプラントと骨が結合しない場合があります。その場合、一度埋入したインプラントを撤去致します。その後、骨の治癒を待ち、再度埋入致します。ほとんどのケースで骨と結合します。

③治療終了後のトラブル

トラブルの多くは、インプラント体と接続している被せ物にまつわるトラブルです。インプラント体と被せ物をつなぎとめているネジが緩むことが見受けられます。
多くの場合、被せ物の部分に対応し、解決できることが多く、インプラント体までさわる必要性はありません。
もう一つのトラブルとしては、インプラント周囲炎などの感染、または継時的な骨の減少、などのインプラント周囲の骨吸収の進行です。
問題にならないこともありますが、場合によってはインプラントの撤去に至るような重篤なものまであります。
③を防ぐことが、達成することに他なりません。

インプラントにまつわるトラブルを回避する当院の取り組み

適切な診査・診断

とにもかくにも、なぜ歯を失ったのか?その原因を把握して置くことが重要です。
歯周病で失ったのか、虫歯で失ったのか、歯根が破折して抜くことになったのか、原因によって治療方針やリスクは変わってきます。
そして、インプラントを成功させるための原則(ルール)があります。
そのルールを遵守することが長持ちの秘訣とも言えるわけです。
過去は外科主導型といい、上部構造(人工歯)の配置を考えず、ただ骨のあるところにインプラントを埋入していました。無理な形の人工歯を入れることになることもあり、トラブルを起こします。
現在では、上部構造(人工歯)の配置を考えた上で、インプラントを配置する、補綴主導型(トップダウントリートメント)の考え方が主流です。

その考えに基づき、様々な科学的根拠に基づいたルールが確立されています(写真)
インプラント処置をする上で、そのルールが満たせないのであれば、インプラントはリスクになります。
様々な状況(例えば、経済的状況、全身的健康状況)でインプラント処置とは別の骨や歯茎の処置ができないのであれば、インプラントの失敗のリスクは高くなる可能性があります。

インプラントを埋入するための組織の検査と組織造成

歯を失うことにより、骨も、歯茎も失われていきます。
特に、悪い状態の歯を適切な治療をすることなく、悪いままで様子を見ていた場合は、歯だけではなく多くの組織を失っていることが多いです。
そのため、埋入するべきインプラントの位置に組織が不足していることは少なくありません。
そういった部分に無理をしてインプラントを埋入した場合、やはり治療後にトラブルが生じることがあります。
当院では、そのようなリスクを軽減するため、不足した硬組織や軟組織を造成することに関しまましても妥協してはいけないと考えています。

硬組織造成、軟組織造成について

インプラント体の選択

インプラント体の選択も大変重要です。
国内には30社以上のメーカーが存在します。インプラントは全て同じではありません。
メーカーによって様々な特徴があります。骨吸収を起こしにくい構造を備え、達成できるインプラントメーカーのものは決して多くはありません。(プラットフォームスイッチング機構)
患者様の組織の状況に応じて、インプラント体の種類も選択する必要があります。当院では、ストローマンやアンキロスといったインプラントを使い分けております。

インプラント体に接続する被せ物への配慮

インプラント体に上部構造(人工歯)が装着された写真。
上部構造(人工歯)はブラッシングしやすい形態と噛み合わせに配慮した形態を兼ね備えている。生体親和性が高いと言われているジルコニアを使用している。(粘膜貫通部)

被せ物が歯肉を貫通して、骨の中に埋められたインプラント接続されますので、プラークの付着しにくい生体親和性の高い材質を選ぶ必要性があります。
また、被せ物の形はブラッシングしやすく、噛み合わせと力に配慮した形である必要があります。

メインテナンスについて

ご自身の他の歯と同様にメインテナンスをする必要はあります。
しかし、インプラントだから特別なことをしなければならないということはありません。ご自身の歯と同様にメインテナンスを致します。
プラークコントロールだけではなく、力のコントロールもする必要があります。

再治療を繰り返す患者様は少なくありません。
問題には必ず原因があります。
「なぜ歯が悪くなってしまったのか?」
一緒に考えてみませんか?